GitLab Ultimateがチームにもたらすメリットについて知りたいですか
Thales社は、航空宇宙、防衛、セキュリティ、デジタルID業界向けの製品とシステムを設計、構築、提供するグローバルテクノロジーリーダーです。同社は2018年にGitLabに注目し、時代遅れのDevOpsツールチェーンを単一のDevSecOpsプラットフォームに置き換えることで、チームが迅速かつ効率的にコラボレーションし、革新的で安全なソフトウェアを顧客に提供できるようにしました。スピードと信頼性で競合他社との差別化を実現しています。
68か国に81,000人以上の従業員を抱えるThales社は、通信配信衛星から航空交通管理、機首から尾部までを網羅する航空機の接続、主要航空会社の機内サービスまで、さまざまなシステムを構築しています。競合他社に先んじ続けたいと考えたThales社のマネージャーは、数千にもおよぶ作業サイロを解消し、5,000人以上のDevSecOpsチームメンバーがコラボレーションを行い、革新的なソフトウェアの開発とデリバリーを加速できるようにする必要がありました。そこで注目されたのが、GitLabでした。
GitLabを使用することで、完全に孤立していた状況から、多様なチーム間のコミュニケーションと調整を改善できるコラボレーション環境へと移行することができました。
Thales社は80もの航空会社の2,300機以上の航空機に機内エンターテイメントシステムを提供しており、1日あたり160万人以上の乗客に利用されています。機内エンターテイメント(IFE)を新たなレベルに引き上げるため、Thales社は画期的なシステム「FlytEDGE」を開発しました。このシステムは、乗客一人ひとりの好みに基づいてパーソナライズされた体験を提供するよう設計されています。従来のIFEシステムとは異なりFlytEDGEはクラウドベースのソリューションであり、新しいアプリケーションやサービスのオンボードを迅速に展開するため、運用の柔軟性を重視しています。新サービスは、コンテンツのインテリジェントな推奨、荷物の追跡や乗り継ぎゲートへの道順などのパーソナライズされた旅行情報の提供、さらに乗客自身のストリーミングサブスクリプションを使用したお気に入りの番組や映画の視聴を可能にすることなど、乗客体験をカスタマイズするものです。
Thales社は、GitLabのエンドツーエンドのDevSecOpsプラットフォーム上で、機内イノベーションを称える、権威ある2024年クリスタルキャビン賞を受賞したFlytEDGEシステムを構築、提供、運用しています。2018年にGitLabを採用したThales社は、ソフトウェア開発プロセスを合理化してコラボレーションを改善し、堅牢なセキュリティ対策を実現しています。
GitLabを使用することでThales社のチームは共通のプラットフォーム上でプロジェクトの可視性を高め、ドキュメントを共有し、協力して作業できるようになり、コラボレーションが向上しました。また、ビルド、テスト、デプロイにGitLabのCI/CDパイプラインを活用することで、効率とスピードが向上し、特にマージリクエストに関する自動化機能の使用により、大幅な改善が実現しました。
FlytEDGEを使用する航空会社は、従来のIFEシステムの20倍にあたる隔週の頻度で運航中の航空機のソフトウェアを更新できるようになります。この速度はThales社にとって重要な差別化要因となっています。
IFEシステムは、Amazon Web Servicesなどのクラウドプロバイダーを活用したコンテンツ管理を基盤としています。これにより、デジタル配信とインテリジェントなコンテンツキュレーションを活用して、ライブスポーツイベントなど人気のエンターテイメントオプションをすべての航空機で利用できるようになります。
「GitLabのプラットフォームを使用することでFlytEDGEの構築をはるかに迅速かつ安全に行うことができるようになりました。これはGitLabなしにはできなかったことです」とDubié氏。「このプラットフォームにより、デベロッパーは当社のビジネス全体にとって重要なソフトウェアを作成できるようになりました。また、このソフトウェアは機内エンターテイメントのあり方そのものを変える革新的な存在でもあります。GitLabと提携して、旅行体験を刷新できることを嬉しく思います
」「GitLabを導入する前は、すべてがバラバラでした」と語るのは、Thales社Software Factoryのチーフプロダクトオーナーを務めるJordan Dubié氏。このSoftware Factoryは、ツール、プロセス、ベストプラクティスからなる、ソフトウェア開発を加速するための総合的な開発体制です。「そのため、さまざまなシステムを理解せずにソフトウェアを変更することは不可能でした。今では誰もが共通のシステムにコントリビュートできるようになり、また、スケールアップも容易になりました」
機内エンターテイメントは主要な収益源であり、機内体験のデジタル化と顧客体験の最大化を目指す航空会社との取引拡大にもつながるため、これらすべてがThales社のビジネス全体にとって重要な要素です。
FlytEDGEは2024年にベータテストが行われ、現在は米国内を飛行する4機の航空機で運用されているほか、2026年末までに本格的な運用が開始される予定です。
Thales社がGitLabに移行した主な理由の1つは、煩雑なツールチェーンがチームの作業を遅らせていたためです。このツールチェーンは、時代遅れで過度にカスタマイズされたレガシーツールで構成されており、開発、セキュリティ、運用チームが制約されたサイロ状態での作業を強いられる原因となっていました。また、デベロッパーやセキュリティチームのメンバーは、コンプライアンスプロセスなど多くのタスクを手動で処理する必要があり、貴重な時間とエネルギーを費やしていました。同社はBitbucket、Jenkins、AtlassianのConfluenceを置き換えることで、ツールチェーンを削減しました。
この状況を打開するため、Thales社はBitBucket、Jira、Jenkinsなどのレガシーツールを置き換える形で、GitLabのフルプラットフォームに移行しました。同社は依然としていくつか異なるセキュリティツールを使用していますが、現在はGitLabと独自のセキュリティ機能と組み合わせています。
「以前のツールは非常に古く、メンテナンスやアップグレードをすることができませんでした」とDubié氏。「過去のツールをそのまま引き継いでいたため、チームメンバー、特に新入社員からはこんなに古いツールを使用しているのはおかしいという声が寄せられていました。新しく、より優れたツールが求められていたのです」
Dubié氏はチームがGitLabのプラットフォームに切り替えたことで、業務を1つの共通プラットフォームに一元化し、従来のコラボレーションにおける障壁を取り除くことができたと語っています。結果として、世界中のどこにいてもチームメンバーが協力して作業できるようになりました。
「以前は事業体ごとにソフトウェアチームが異なっていました」とDubié氏は付け加えています。「ボルドー、トゥールーズ、ヴァランス、パリにそれぞれチームがあり、各チームはまったく異なるプラットフォームや3~4年も更新されていないツールを使用していました。これはコラボレーションの大きな障害であり、開発環境の整合性を損なう原因となっていました」
チーム間でベストプラクティスの共有や課題解決などの協力ができなかったため、リリースケイデンスが遅くなるだけでなく、ソフトウェアデリバリーパイプラインの効率性も大きく制限されていました。「機能性の面で競合他社に大きく遅れをとっていました」と、Dubié氏。しかし、それはすでに過去の話です。Thales社は、GitLab導入前と比べて継続的な改善の速度が8倍に向上したことで、膨大なバックログとなっていたソフトウェアアップデートを排除することに成功しました。
また、GitLabを活用した効率化により、Thales社ではデベロッパー1人あたりの月間開発時間が1日分増加しました。5,000人のDevSecOpsチームメンバーが参加しているため、節約できた時間は非常に膨大です。
単一のプラットフォームを使用することで、Thales社は煩雑だった断片化を解消し、デベロッパーを統合して情報やワークロードを共有できるようにしました。その結果、プロジェクトや地理的な場所に関係なく、まったく新しいレベルのアジリティと生産性を実現しました。
「GitLabを使用することで、完全に孤立していた状況から、多様なチーム間のコミュニケーションと調整を改善できるコラボレーション環境へと移行することができました」とDubié氏は付け加えています。「これにより以前の障壁を克服し、生産性とソフトウェアのビルドとデプロイの能力を向上させることができました」
Thales社のエンジニアリング&デジタルトランスフォーメーション担当シニアバイスプレジデントであるOlivier Flous氏は、高レベルのセキュリティを維持するためには、ソフトウェアを継続的にアップグレードできることが重要であると述べています。「スピードは私たちのビジネスにとって不可欠なものになりました」と同氏。「つまり、ソフトウェアと処理を継続的に適応させる必要があります。そのためには、より迅速に、そして継続的にデリバリーを行う必要があるのです。これはまさに革命的な変化であり、GitLabはその実現において重要な役割を担っています」
また、このプラットフォームを使用することで、セキュリティ、CI/CDパイプライン、ドキュメント、コンプライアンスプロセスなど、さまざまな分野で自動化を実現することができました。 「GitLabのプラットフォームを使用することで、真の自動化が実現しました」とDubié氏。「単に複数のワークフローにショートカットを加えるだけでなく、デベロッパーが反復的な作業から解放され、イノベーションに集中できるようにすることが重要でした。それだけでなく、全体的なデベロッパーエクスペリエンスも改善されました
」「私たちは自動化に全力を注いでいます」と、Dubié氏は付け加えています。
Thales社は、CI/CDパイプラインを中心に多くの自動化を実現しています。これにより一貫性と信頼性、さらには速度と効率が向上し、リリースサイクルが短縮され、市場投入までの時間が短縮されました。
定義されたパイプラインでジョブを実行するGitLab Runnerなどの標準化された共有自動化ツールを設定することで、チームメンバーはプロジェクトをより迅速に立ち上げ、作業に取り組み、ソフトウェア開発ライフサイクル全体をより効率的に進めることができるようになっています。
同社はまた、シークレット検出、ソフトウェアコンポジション解析(SCA)、静的アプリケーションセキュリティテスト、動的アプリケーションセキュリティテストなど、プラットフォームの自動化されたセキュリティ機能も活用しています。また、Thales社のチームはGitLabを他のツールと組み合わせて使用することもできるため、これまでにない柔軟性が実現しています。また、新しいマージリクエストが開かれるたびにセキュリティテストがすでに実施されていることで、新たな自信が生まれ、安全なソフトウェアをより簡単かつ効率的に作成し、デプロイできるようになったとDubié氏は語っています。また、監査の頻度を減らすことで時間とコストの両方の節約が実現しています。
「これらすべての自動化されたセキュリティ機能をGitLabに統合することで、すべてのチームとプロジェクトが同じ高レベルの保護を受けられるようになり、脆弱性の早期検出、継続的なモニタリング、そしてスケーラビリティを実現できます」とDubié氏は述べており、また、コンプライアンスと保証の資格情報やドキュメントを提供するインタラクティブなポータルであるGitLabのトラストセンターも利用していると付け加えています。
「パイプラインでこれほど迅速に動けるようになったことに、多くのチームメンバーが驚いています」とDubié氏。「かつては設定に手間と時間がかかるのが当たり前でしたが、今ではその必要はありません。環境の設定に何日もかかっていたのが、数分~数時間に短縮されました」
Thales社は、組織が安全なソフトウェアをより迅速に開発・デプロイするのに役立つAI搭載の機能スイート「GitLab Duo」をまだ採用していませんが、Dubié氏はチームメンバーがその使用を強く望んでいると述べています。「将来に向けて重要な鍵となる、GitLabのAIロードマップとDuoのAI機能に注目しています」とDubié氏は付け加えています。「開発とデリバリーの効率化に加え、バグの検出や分析、修正にも役立つことが明らかになっていることから、関心が高まっています」
GitLabの自動化を使用することで、Thales社はコンプライアンス要件に準拠するだけでなく、それを実行していると証明することもできました。規制の厳しい防衛、宇宙、輸送業界で事業を展開するThales社は、インフォメーションセキュリティの国際標準であるISO 27001など、常に変化する規制要件を満たす必要があります。GitLabは、開発環境の適切な設定の自動的な確保し、データの保存場所でのガードレールの設定、データのタグ付け、検出・修正された脆弱性などの情報の追跡ツールを提供することで、Thales社のコンプライアンス対応を支援しています。
「当社ではデータの機密性が複数のレベルに分かれているため、コンプライアンスの維持は複雑な作業です。GitLabはその課題の解決を支援してくれています」とDubié氏。「単に義務を果たすだけでなく、必要なことを確実に実施しているとすぐに証明できることが大切です。ただ誰かを感心させるのではなく、コンプライアンスの証拠を毎回確実に提示できるようにしておく必要があります。今では、そのためのプロセスと文書化が整っています」
Dubié氏は、Thales社がほぼすべての新しいソフトウェアをGitLabで構築しており、コンプライアンスの完全自動化も順調に進んでいると述べています。同社はアビオニクス作業のデジタル化にも取り組んでおり、GitLabの使いやすいUIが非デベロッパーの設定管理の理解と活用を支援しているため、その実現に向けてGitLabを積極的に活用する方針です。これにより、チームや部門全体に自信が生まれます。
「GitLabとのコラボレーションは相互尊重に基づいており、非常に実り多いものとなっています」とFlous氏。「私たちはGitLabのビジョンやソフトウェアに対するプロフェッショナルな姿勢を取り入れ、自社ワークフローに反映させるよう努めています。Thales社は大企業であり、私たちの使命は、誰もが信頼できる未来を築くことにあります。 そして、それをGitLabとの提携によって実現しています」
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